オフィスでビジネスフォンを快適に利用するための全て

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ビジネスフォンは企業にとって必要不可欠なツールである。

近年ではWebマーケティングやメールマーケティングなどに重きを置く企業が増えているが、それらから発信される情報は顧客に対して一方通行なものが多い。

「相手を知ることが、最適なコミュニケーションの方法を探る第一歩である。」という不動産情報サイトHOME”S創設者の井上高志さんの言葉があるが、相手を知るためには会ったり電話するなど会話することが大切である。

ビジネスフォンはずっと使い続けるものだからこそ、安価で快適に利用できなければ都合が悪いだろう。

従来、オフィスの電話と言えば主装置付きのビジネスフォン一択であったが、現在ではテクノロジーの発展によってオフィスの電話環境は大幅に改善されている。

この記事ではオフィスでビジネスフォンを快適に利用するための方法について説明している。

 読んで頂きたい読者

法人設立を行ったため新たに番号を取得したいと考えている人

移転したオフィスで新たに番号を取得したいと考えている人

 

オフィスに最適な電話番号とは

あなたは携帯電話番号が変更になったり自宅を引越した時など電話番号を周知するのに苦労したことはないだろうか。

これが企業が移転したときの代表番号の周知であれば、どれほど手間と労力が掛かるのかは想像に難しくないだろう。名刺管理のSansanによると、ビジネスパーソンは1人あたり平均して1,383枚の名刺を持っているらしい。

それらに対して周知するとなれば現実的な話ではないだろう。また、クライアントに対しても手間を取らせてしまうため出来れば代表番号は変更したくないものだ。

しかし、少し古いデータではあるが都市研究センターによると本社移転を行う企業は年々増加傾向にあり、企業の大小問わず数多くの移転が行われている。

本社移転数

この背景にはインターネットの普及に伴い、オフィスの場所に依存しない企業が増えたことや、オフィスの保証金や敷金などが以前よりも安価になったことが考えられる。

そこで問題になっているのが、日本の電話番号の仕組みだ。東京03番号や大阪06番号などの通称0AB~J(ゼロエービージェー)番号はNTTが発行する加入権番号であり、NTTの基地局から異なる場所に移転してしまうと継続して利用することができない。例えば同一都道府県であっても基地局が異なれば継続して利用できないことが多い。

しかし、大多数の企業は代表番号として0AB~J番号を利用しており、オフィスを移転する際に電話番号を変更しなければならなかった。

そこで新しく誕生したVoIPというインターネットを通じて音声を送受信する通信技術を利用してIP電話が普及し始めたが、従来このIP電話は「050」から始まるため、代表番号として利用するには社会的信用力の観点から現実的ではなかった。

だが、現在では総務省が定めた一定の条件を満たすことができれば、IP 電話で0AB~J番号を利用できるようになったのだ。これを利用すれば、移転しても永続的に代表番号を変更しなくても済む。

 

NTT加入権番号
アナログ・ISDN
NTTひかり電話番号 0AB~J番号対応の
IP電話サービス
都道府県内
移転
△:ほとんど使えない △:ほとんど使えない ○:使える
別の都道府県へ移転 ×:使えない ×:使えない ○:使える
海外 ×:使えない ×:使えない ○:使える

そのため0AB~J番号対応のIP電話サービスを利用するのが最適であると私は考えている。

0AB~J番号対応のIP電話サービス

0AB~J番号対応のIP電話サービスを利用するメリットは移転に強いというだけではない。例えば「通話料が安い」「基幹システムとの連携が容易」「スマートフォンから発信することができる」など、今までの加入権番号の常識を覆している。

  1. 通話料が安い

IP電話は基本的に通話料が安い。NTTのアナログ回線通話料と一般的なIP電話の通話料を比較すると下記のようになる。

発信元 NTTのアナログ回線 一般的なIP電話
固定電話 市内 8.5円/3分 8円/3分
市外 20~40円/3分
県外 20~80円/3分
携帯電話 全国 20~40 円/1分 18円/1分

IP電話は全国一律3分8円ほどのため、市外通話県外通話がNTTのアナログ回線に比べて圧倒的に安い。インターネットの普及により県外とのやり取りのニーズは増え続けているため、通話料のメリットは大きい。 

  1. 基幹システムとの連携が容易

NTTで発行した電話番号は基本的にシステムと連動することができない。しかし、テクノロジーの発展と共に営業支援システム(SFA)や顧客管理システム(CRM)を利用するシーンは急速に増えている。

お客様からの電話問い合わせやWebサイトからリード情報を獲得すれば、顧客管理システムなどにインポートするだろう。

また、営業支援システムとコールシステムとが連動している場合もある。もし予めこれらに対応することができるIP電話番号を利用していれば、システムを導入した際にスムーズに業務移行できるだろう。

  1. スマートフォンから発信することもできる

IP電話番号をスマートフォンに設定することによって利用することができるサービスも存在する。そのため、オフィスにそもそもビジネスフォンを置かなくても固定電話番号を利用することが技術的には可能になった。また、クライアントに電話するときなど、携帯電話よりも固定電話からの発信の方が信頼度が高い場合があるため便利である。

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↑0AB~J番号対応のIP電話サービスは便利である(Aleksandar Dedic

 

オフィスの最適な電話機とは

ビジネスフォンはとにかく難解で仕組みを理解できないというのが情報システム部門の大半の悩みだろう。

主装置の周辺は配線でゴチャゴチャしており、決して触れてはならないという異様な雰囲気を出している。中には年月とともにホコリが貯まっていつ漏電するかわからないようなオフィスも少なくない。

掃除を行いたくても配線が外れてしまっては業務に支障が生じるため諦めている経営者も多いのではないだろうか。しかし現在ではテクノロジーの発展に伴い、ビジネスフォンの環境も変化してきた。私自身も主装置付きのビジネスフォンを利用したことはあるが今となっては懐かしい話である。

ビジネスフォンには主に下記の2種類がある。

ビジネスフォン IPビジネスフォン
昔からある標準的なビジネスフォンでレガシータイプと呼ぶこともある VoIPを利用したビジネスフォンでさまざまな機能が利用できる

ビジネスフォンについて

昔からある標準的なビジネスフォンの事でレガシータイプとも言う。レガシー回線とはアナログ回線やISDN回線のことで、電話機から主装置(変換器)を経由してアナログ信号やデジタル信号で電話のやり取りを行う。中にはIP電話番号に対応している機種もあるが、ISDN対応の基板を利用したり内部的なことはかなりややこしい。

オフィス内に主装置を設置しなければならず、回線数に応じて基板を増設工事する必要がある。また、1つのデスクにLANケーブルと電話ケーブルを通さなければならないため配線が多くなる。新品や中古など多数の製品が出回っているが、メーカーによる製品の差はあまりなくビジネスに必要な機能はある程度揃っている。しかしこの従来からあるビジネスフォンにはいくつか問題があると私は感じている。
ビジネスフォンの環境

  1. 従来のビジネスフォンはコストが高い場合が多い

ビジネスフォンはまず端末と主装置を購入するときにリース契約を結ぶ場合が多い。リース契約なので一括支払いと比べると導入障壁を下げる事ができるが、6年払いなどではトータルの支払いは必ずと言っていいほど高くなるだろう。

また、ビジネスフォンをオフィスに設置する際も素人では設定することができない。電話の設置、配線の配備、主装置の設定などは専門業者(通称:ビジホ業者)に依頼しなくてはならないため初期工事費用が発生する。

  1. 従来のビジネスフォンは設定やレイアウトの変更が難しい

ビジネスフォンの配線は電話線を利用するのだが、配線ごとに内線番号が割り振られており、電話機の移動は容易ではない。また、電話番号を追加したり内線の割振りを変更したりする場合も素人には難解である。

そのため、企業はオフィスのレイアウトを変更したり、新入社員の席を設置したり、電話番号を追加する度にビジホ業者に設定を依頼しなければならず、情報システム部門の面倒な仕事の1つに位置づけられている。

  1. 従来のビジネスフォンは保守費用も結構かかる

言うまでもないが、設定や工事の度にビジホ業者に設定費用を請求される。そのため気軽にレイアウトを変更したり設定を変更することができない。業務時間外に依頼することが多いのだが、設定の内容によってはNTTの工事班とビジホ業者とオフィスの営業時間を調整しなくてはならないため、日時調整だけで四苦八苦することもある。

ビジネスフォンの歴史は30年前からであり、その技術は現代社会のニーズに合わなくなっているのではないだろうか。企業は新しい便利なテクノロジーを積極的に活用してイノベーションを起こさなくてはならないが、インターネット上ではまだまだ多くのビジホ業者が従来のビジネスフォンを推奨している。なぜ、時代に合わないビジネスフォンが未だに推奨されているのだろうか。

私は下記のようなメリットがビジホ業者にあるからだと思っている。

  • 中古ビジネスフォンが市場にたくさん出回っているため、安価で仕入れリース契約を結ぶことで利益率を高めることができる
  • ビジネスフォンはメンテナンスや保守が不可欠なサービスなので、キャッシュポイントを生み出しやすい
  • 従来のビジネスフォンを利用している企業の割合が圧倒的に多い

世の中の流れとして、基幹インフラや基幹システムは低価格で高品質を求められるようになってきている。

私的な意見ではあるが、ビジホ業者には積極的にIPビジネスフォンの導入を推奨してもらいたいと考えている。

ビジネスフォンは一度導入してしまえば、移転するまで基本的に買い替えるものではない。そのため読者にはしっかり検討したうえで導入してもらいたい。

では、次にIPビジネスフォンについて説明しよう。

IPビジネスフォン

IPビジネスフォンには主に、IP-PBXという変換器(主装置)をオフィス内に設置する場合と、クラウド型IP-PBXという変換器を設置しない場合がある。どちらもVoIPの技術を利用しており、インターネット上の音声データをアナログ回線の信号に変換して送受信することができる。

IP-PBX

IP-PBXの環境

IP-PBXにはビジネスフォンの主装置のようなものを設置するハードタイプのIP-PBXと企業の既存サーバーにソフトウェアをインストールして利用するソフトタイプのIP-PBXがある。これらはPBXベンダーが開発している従来からある仕組みで、スイッチやルーター機能なども搭載されているものが多い。しかし、現在では様々なサービスのクラウド化が進んでおりビジネスフォンも例外ではない。今後はクラウド型IP-PBXが主流になっていくのではないだろうか。

クラウド型IP-PBX

クラウド型IP-PBXの環境

クラウド型IP-PBXとは、オフィスに変換器を設置する必要がないというのが特徴である。配線に関してもルーターもしくはハブなどから出ているLANケーブルを電話機に接続すれば利用できる。

そのため、素人にも簡単にオフィスに設置したい移動したりすることができるのだ。そもそもLANケーブルは各デスクまで配線されていることが多いため、デスク付近で分岐させればよい。

海外ではクラウド型電話サービスをMAC(Moves , Adds and Changes)と呼ぶこともあり、移設や変化に強いと捉えられている。

クラウド型IP-PBXのメリットは下記のとおりである。

  1. 初期費用が安い

IP-PBXなどの機器を購入する必要がなく、社内サーバーへのインストールなども必要がないため、購入しなければならないのはIPビジネスフォンとLANケーブルとハブぐらいである。IPビジネスフォンは大手メーカーGrandstreamなどでも新品で6,000円くらいで購入することができる。

あとはクラウド型IP-PBXのサービスを利用すればIPビジネスフォンをLANケーブルに接続するだけなので工事費用も掛からないことが多い。

  1. 運用コストが安い

サーバーのメンテナンスはサービス提供元が行っているため運用コストは割安である。設定等がわからない場合も遠隔操作で行ってもうらうことができるためわざわざ訪問設定などを依頼しなくてもよい。また、社内にIP-PBXを設置しなくてもよいためスペースの有効活用もできる。

  1. 企業規模の拡大に対応

ハードによる端末数などの制限を受けないため、事業の拡大と共に柔軟に対応できる。どのようにオフィスで利用したいか思いのままに設計できるだろう。

  1. 機能が豊富

クラウド型IP-PBXはサービスが豊富であることが多い。例えば通録は自動的にバックアップされ責任者が確認したいときに簡単に確認できたり、モニタリング機能が搭載されていたり、中には顧客管理システムが内蔵されており、コールシステムとして利用できるものもある。

  1. スマートフォンとの連携

IP-PBXがクラウドにあるため、スマートフォンを内線として利用することはもちろん、外線発信も行うことができる。

これらのメリットはあくまで一例でありクラウド型IP-PBXのベンダーが利用している音声変換技術が異なることが多いため、どのサービスを利用しても同じ結果が得られるわけではない。大量発信に向かないサービスやスマートフォンに対応していないサービスなどもあるため、専門家に確認することをお勧めする。

 

まとめ

結論、オフィスにおいて理想の電話環境はIP電話対応の0AB~J番号をクラウド型IP-PBXに乗せて利用するという方法である。

1960年代から電話というコミュニケーションツールの重要性は変わっていないが、ITの技術によって利便性は格段に向上したと言えるのではないだろうか。IP電話というと昔Yahoo!BBが無料配布したBBユニットを思い出す方も少なくないだろうが似て非なるものである。

当初私は市外局番から始まる0AB~J番号が移転できないのであれば、代表番号は050番号でもいいのではないかと考えたが、今の日本の社会では市外局番による信用度がなぜか高い。この辺りの偏見も将来的には懐かしいものになるのだろうか。

IP電話対応の0AB~J番号の出現によってオフィスでビジネスフォンを快適に利用する方法について一本の道筋が立ったと言えるのではないだろうか。電話番号を取得する際には参考にして頂きたい。

 

(0AB~J/IT用語辞典)/(IP-PBXにする?それともクラウド型PBX?/ITトレンド)/(名刺に関する実態調査2015/Sansan)/(オフィス移転等の動向/都市研究センター)

 

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