リードナーチャリングとは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

リードナーチャリング(Lead Nurturing)とは

見込み客に対してメール配信やWebコンテンツなどの提供を行い、購買意欲の高い見込み客を育成するためのプロセスである。

あるいは、見込み客の中から如何に多くの顧客を獲得できるかというマーケティング戦略のプロセスとも言える。

2014年あたりからCRM業界のバズワードとして話題に上がっていたリードナーチャリングであるが、なぜこれほどまでに注目されているのだろうか。CRM業界に関わりがなければ聞きなれないリードナーチャリングという言葉であるが、この記事を読み進めて頂ければ理解できるだろう。

リードナーチャリングの背景

新規顧客の獲得に苦労していなかった時代には、リードナーチャリングを実践している企業はほとんどなかった。なぜなら、見込み客を育成しなくても十分な顧客を獲得できたからである。

例えば、広告宣伝を打てば営業マンが足りないほど商品が売れた時代もあった。そのため企業はマスマーケティングなどの大規模な広告で見込み客を集め、その中からすぐに契約してくれるお客様(いますぐ客)だけにターゲットを絞ってセールスを行っていた。その結果、企業は見込み客を集める事ばかりに注力するようになり、集客後の見込み客管理のプロセスは疎かであった。

しかし、これでは将来的に顧客になりうる多くの見込み客を見逃していることになる。SirisuDecisionsの調査によると「いますぐ客」にならない見込み客のうち80%は2年以内に類似したサービスの購入を行っていることがわかっている。そのような事実が徐々に浮き彫りとなり、企業は今までフォローしていなかった自社の商品に興味や関心はあるがすぐには購入しない見込み客の管理と育成を始めたのである。

リードナーチャリングの背景2

集客を行うと1%の顧客候補と99%の見込み客を獲得することができる(上図グラフの左側)。それらの顧客データベースに対して2年間何もしなかった場合と、リードナーチャリングを実践した場合の違いは大きい。

 

リードナーチャリングの位置づけ

リードナーチャリングは見込み客を育成するためのプロセスであるため、マーケティング戦略の一部である。企業が顧客を獲得するまでの流れはリードジェネレーション、リードナーチャリング、セールスに分かれる。

リードナーチャリングの位置づけ

図のように、リードジェネレーション(見込み客を集めること)によって見込み客の母数を増やさなければ、リードナーチャリングはできないし、セールスもできないということになる。そして、企業はこれらの項目それぞれに対して常に課題を持っている。なぜなら、これらの生産性を少しでも高めるために試行錯誤しなければならいのだ。

リードジェネレーション

リードジェネレーションは基本的にマーケターの仕事である。

見込み客の定義(ペルソナ)に該当する顧客情報を集めるために広告や人海戦術などを行う。そして、如何に低予算で多く集めることができるか試行錯誤しなければならない。

リードナーチャリング

リードナーチャリングは基本的にマーケターの仕事である。

見込み客から「いますぐ客」に引き上げるための効率的なアプローチ方法について試行錯誤しなければならない。

セールス

セールスは営業マンの仕事である。

「いますぐ客」に対してセールスする場合は確実に成果を出さなければならない。また、顧客と信頼関係を築くためのトークや接待などを試行錯誤しなければならない。

 

これらのどのプロセスにおいても生産性を上げるための効率化は必要不可欠である。1つのプロセスを疎かにしてしまうと、すべてのプロセスに影響が出てしまうため満遍なく工夫する必要がある。

 

リードナーチャリングの重要性

リードナーチャリングは市場の変化、購入プロセスの長期化、タイミングの見極め、などの観点からその重要性は年々増している。

市場の変化

消費者のITの活用によって下記のように市場は変化している。

  • スマートフォンの普及によって今までPCを起動しなければ開く事のなかったメールを開くようになったり、Webコンテンツを閲覧する機会が増えた
  • Gmailのようなフリーメールアドレスを活用する人が増えた
  • Webなどから個人情報を獲得するハードルが下がったため、Webコンテンツによって信頼を獲得することで、顧客情報を獲得できるようになった

これらの変化によって、消費者は企業の配信するメールやWebコンテンツに触れる機会が増えている。

購買プロセスの長期化

購入プロセスは、選択肢が少なければ少ないほど決済までの時間は短くて済むが、逆に選択肢が多ければ多いほど長くかかってしまう。

従来は営業マンからの情報のみで決済する場合が多かったが、今ではインターネットであらゆる比較対象の情報を獲得することができるため、決済までの時間が長くなった。

購買プロセスの長期化

企業は購買プロセスの長期化によって今まで以上に「いますぐ客」を見つけることが困難になった。そのため、メールやWebコンテンツを配信し、見込み客からのインバウンドで顧客を獲得するスタイルに切り替えている。

タイミングの重要性

セールスにおいてタイミングというのは非常に大切な要素である。例えば、見込み客の必要性や欲求が低い場合や購入時期ではない場合、セールスを行うには早すぎる。

しかし、それらの見込み客に対してリードナーチャリングを実践し見込み客の課題認識や購買意欲を高めることに成功すれば、セールスを行うべきタイミングである。

タイミングの重要性

このタイミングを見極めるために企業はさまざまなトラップを仕掛ける。例えば、メールの開封率、URLのクリック履歴などを集計することで顧客の行動を監視することができる。そうして抽出されたいますぐ客に対してアプローチすれば効率よく契約を獲得できるのだ。

ただし、このタイミングを見逃してしまい見込み客が同業他社とサービスを契約してしまうと、そこから挽回するのは至難の業である。

そのような苦しい戦略になる前に、見込み客のニーズが一番高いタイミングでセールスすることが重要である。

また、たとえタイミングを見極められなかったとしても企業はセールスを優位に進めるために、見込み客に対して定期的なアプローチを行い関係性を継続させることによって、常に比較対象になるよリードナーチャリングを行うべきである。

 

リードナーチャリングの主な手法

企業はリードナーチャリングを実践するために見込み客に対して主にメール配信やWebコンテンツの提供を行っている。この2つについて説明しよう。

メール配信

メール配信はリードナーチャリングにおいて重要なアプローチ手法であり、最近では「迷惑で効果の出ないもの」という従来の考え方から「確実に効果の出るもの」として認知されている。

メール配信と言ってもさまざまな手法があり主にステップメール、メールマガジン、セグメントメールなどがある。

ステップメール

メールアドレスを登録することで、あらかじめ設定されたメールが設計図どおりに自動的に配信される仕組みである。資料請求や無料電子書籍をダウンロードした場合に、見込み客を教育するために利用される。

メールマガジン

顧客データベース全体に対して定期的にメールマガジンを配信することで自社の認知度やサービス概要を把握してもらうことができる。定期的な配信であることから見込み客との継続的な関係性を維持するために利用される。

セグメントメール

見込み客を属性別にグループ化しニーズに合わせてメール配信を行うことで、成約率を高めることができる。

 

コンテンツマーケテイング

コンテンツマーケティングを行うためのWebコンテンツの重要度は年々増加している。

コンテンツマーケティングはお客様に価値のある情報をWebコンテンツで提供することでSEOの上位を獲得するとともにお客様の信頼を獲得するための手法である。これはリードジェネレーションとリードナーチャリングの両方の領域を担うため重要視している企業が増えている。

当社の「情シス」もコンテンツマーケティングを行うために運用している自社メディアである。コンテンツマーケティングではWebコンテンツ、無料ダウンロード、会員登録などを工夫する必要がある。

Webコンテンツ

読者にとって価値のある良質なコンテンツをブログでわかりやすく提供することで、アクセス数と信頼を獲得することができる。

無料ダウンロード

Webページから電子書籍や資料請求など読者の知りたい情報を無料でダウンロードできるように設定しておく。そうすることで読者がダウンロードする際に顧客情報を入力するため見込み客情報を獲得することができる。

会員登録・メルマガ登録

コンテンツの閲覧権限など会員特権を作ることで、会員登録したくなるような仕組みを作り、読者が見込み客情報を落とすための仕組みである。

 

まとめ

リードナーチャリングについて理解頂けただろうか。ビッグデータを保有している企業であれば当たり前に行っている内容も多々あったであろう。しかし、中小企業やこれから飛躍していくであろうベンチャー企業では人員が足りないため、リードナーチャリングに踏み切っていない企業も多いのだろうと感じる。見込み客情報は将来自社のサービスを利用してくれるかもしれない大切なデータである。小さな企業にこそ毎日コツコツとデータ収集と管理を行い、見込み客を育てるプロセスを構築してほしいと願っている。

 

広告

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

無料Ebook : 情シス式マーケティング
見込客情報を収集し最大限活用することで
売上を倍増させるための全手法

顧客管理システムやマーケティングオートメーションなどのテクノロジーについて調べているがよくわからないと悩んでいませんか?本書は弊社やクライアント様が顧客情報をフル活用して下記の内容を実現します。

・1人あたりの生産性が1.5倍になる方法
・従来の100倍の見込客とコミュニケーションを取り続ける方法
・マーケティングオートメーションの全て

など、セールスパーソンが効果を実感できる具体的な施策内容を全27ページに渡って詳細に説明しているものです。
是非、貴社のマーケティングにもご活用ください。


無料Ebookをダウンロード